サポーターコラム

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相続登記が進まない:相続登記に協力しない相続人がいる場合や、相続登記を放置している間に相続人が何十人になった場合にすべきこと

相続登記したいのに、「一人だけ協力してくれない」「放置しているうちに相続人が何十人」にもなってしまった。

そんな理由で空き家・空き地になっていることも多いと思います。解決方法を何点かご紹介します。

1.遺産分割協議がまだ済んでないなら

⑴ 遺産分割調停プラン
① 遺産分割調停を起こしましょう。
② あなたが不動産を取得する旨の調停や審判が成立すれば、調停調書や審判書に基づき、あなた単独で相続登記をすることが可能です。

⑵ 時効取得援用プラン(※この方法は、色々条件があります。)
① 相続人全員相手に「時効援用する旨と、登記手続のために、やむを得ず提訴しますね」という趣旨の文書を送付します。
② 時効取得を理由に他の全相続人を相手方として所有権移転登記請求訴訟を提起します。
③ 全相続人名義で相続登記します。
④ 勝訴判決に基づき全相続人から所有権移転登記します。
⑤ 相続税ではなく、所得税の対象になります。

2.遺産分割協議がすでに成立している証拠があるなら

大昔作成の遺産分割協議書などでも相続登記できる場合があります。

⑴ 全相続人の署名押印はあるけれど、実印ではないなどの場合
① 遺産分割協議成立時点の相続人全員名義で相続登記をします。
② 遺産分割協議が成立しているのに、登記に協力しないことを理由に「所有権移転登記請求」を求める訴訟を提起します。
③ 勝訴判決に基づきあなた単独で他の名義人から「年月日遺産分割」を登記原因として所有権移転登記をすることが可能です。

⑵ 遺産分割協議したのに、一部相続人が押印しない場合
① 遺産分割協議は口頭でも成立します。
② 遺産分割協議で不動産を取得することとされた相続人が、押印を拒否している相続人を相手に所有権確認訴訟を提起します。
③ 勝訴判決と遺産分割協議書(他の相続人の押印・印鑑証明書付)を添付し、単独で相続登記をします(H4・11・4民三6284号民三回答)。

3.実際に解決する場合

サラッと書きましたが、実際に解決するためには、事案ごとに検討すべき難しい課題が種々ございます。
特に「どういう判決文を取得すれば登記できるか」は必ず司法書士にご相談ください。

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