古くなった建物を何らかの事情で売却できずにそのまま保有している場合、賃貸を検討してみてはいかがでしょうか。

このご提案をした場合、多くの方が心配をされるのが、いったん賃貸で貸してしまうとなかなか退去してくれないのではないか、という事です。この場合は定期借家がまずお話しに出てきますが、契約期間が１年以上の定期借家の場合は、期間の満了の１年前から６ヶ月前までの間に、貸主から借主に対して、期間の満了で契約が終了する旨を通知しなければなりません。普通賃貸借で契約した場合、契約は更新されていきますが、定期借家の場合は借主がうっかり退去の準備を失念してしまうという問題が起こりかねません。なので契約は終了するけど、それを主張できず、明け渡しを請求できないという現象が起こる恐れがあるのです。

もしも古い建物で、近い将来に取り壊しの予定があり、それまでの運用でという場合は取り壊し予定の建物の賃貸借という契約があります。この契約は、取り壊すという事が確定していないと締結できない契約ですが、それゆえに先述の通知を出す必要は無く、期間の満了で明け渡しを請求できるとの事です。また、この契約には期間の制限がありませんので、任意で期間を定めることが出来ます。

取り壊しは決めたのだが、まだ期間がある。その間だけでも使ってもらえたらな。そんな場合はこのような運用方法はいかがでしょうか。