

空き家の整理や遺品整理を進めていく中で、
「ああ、母はよくこの服を着ていたな」
「ずっと家族で囲んでいたテーブル…捨ててしまうのは忍びないな」
こういった物に紐づいた思い出が手に取るたびに鮮明によみがえり、
まるで物を捨てるという行為が思い出を捨ててしまうような錯覚に陥り
かたづけ作業が進められないということはよくあることです。
今回はそういった状況でどう片づけを進めていけば
かたづけを後悔なく進めていけるのか、
そのヒントを一般的な事例を交えてお伝えします。
〇亡くなった人の物を処分する時期の目安
亡くなった人の品々の整理に「いつ」という明確な決まりはありません。しかしながら、四十九日や一周忌といった節目を一つの区切りとして捉える方が多いです。これらの時期は、故人の魂が新たな場所へ旅立つと考えられ、残された方々の心が落ち着きを取り戻し始める頃合いとも言えます。特に仏教においては、四十九日を「忌明け」とし、身の回りの整理を始めるきっかけとされています。
〇亡くなった人の服や衣類の適切な処分方法
亡くなった人の服や衣類の処分は、いくつかの方法を検討することで、負担を減らしながら進められます。まず、親族や知人に譲る方法があります。特に、故人が大切にしていた服や高価な衣類であれば、家族の誰かが引き継ぐことで、思い出とともに活用できます。
次に、寄付する方法もあります。リサイクル団体やNPO法人では、状態の良い衣類を受け付けていることが多く、特にスーツやコートなどは、生活に困っている人の役に立つこともあります。寄付先を調べ、適した団体に送ることで、故人の遺品を社会に生かすことが可能です。
〇親族と相談して決める際のポイント
遺品整理を進めていく中で、親族間で様々な意見が出てくることは決して珍しいことではありません。ですからこそ、事前に整理の進め方について話し合い、円滑に進めるための工夫が大切になります。
まず、何を残し、何を整理するのか、その判断基準をご家族間で共有することが重要です。故人への想いは大切にしつつも、今後の生活において本当に必要かどうかを皆で話し合うことで、後々の意見の食い違いを防ぐことができるでしょう。
次に、整理作業の進め方を決めておくことも大切です。一度に全てを片付けようとすると、どうしても意見が衝突しやすくなります。例えば、衣類、書類、家具といった種類ごとに整理を進めるなど、段階的に取り組むことで、ご家族それぞれの負担を軽減しながら進めることができるでしょう。
もし、どうしても意見がまとまらない場合は、第三者の視点を取り入れてみるのも良いかもしれません。親戚以外の友人や、遺品整理の専門家などに相談することで、より冷静な判断ができるようになることがあります。
ご家族皆様が納得できる形で遺品整理を進めていくためには、何よりも**「お互いの気持ちを尊重する姿勢」と「これからの生活を見据えた現実的な視点」**が大切と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
もちろん、焦ってすぐに整理する必要はありません。心の準備が整わないまま手放してしまうと、後々になって寂しさを感じることもあるでしょう。大切な方の思い出が深く刻まれた品々は、遺された方にとって心の拠り所となることもあります。ご自身の気持ちと向き合いながら、少しずつ整理を進めていくのが良いでしょう。
弊社ではこういったお悩みごとの相談も承っております。お気軽にご連絡ください。
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