サポーターコラム

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Supporter column
先日の空き家解体中の倒壊事故から学ぶこと

昨日、福岡県久留米市で解体中の建物が倒壊し、作業員2名が亡くなる痛ましい事故が発生しました。

この築56年の空き店舗は20年以上放置されていましたが、最近になり解体が開始されたばかりでした。こうした老朽化した空き家は倒壊や火災、景観悪化など周囲への影響が大きく、社会的にも深刻な問題です。

民法第717条では、所有者には適切な維持管理が求められています。
空き家の倒壊による死傷事故の場合、所有者が安全管理を怠っていたと判断されれば法的責任を負う可能性があります。また、解体業者の選定や監督に過失がある場合も責任を問われることがあります。このような問題を防ぐには、所有者と業者が協力し、空き家の安全を確保することが不可欠です。

空き家を地域の資源として活用するためには、放置を避け、解体やリノベーションを通じて新たな価値を生む取り組みが必要です。例えば、地域のコミュニティスペースや観光施設として活用すれば、人々の集まりや地域経済の活性化に貢献できます。自治体や住民と連携し、空き家問題を単なる「負の遺産」と捉えるのではなく、未来につながる資源と考える視点が求められています。

1. カフェやレストランとしての活用
古民家や空き家を改装し、地元の食材を使った料理を提供するカフェやレストランとして再生する例があります。例えば、徳島県三好市では空き家を利用して「地域食材」をテーマにしたカフェを開業し、観光客だけでなく地元の人々の集いの場として活用しています。

2. ゲストハウス・宿泊施設
例えば、東京都台東区の「谷中hanare」は空き家を分散型ホテルに変え、訪れる観光客に地域全体を楽しんでもらう仕組みを作りました。地元の歴史や文化を体験する場として、地域経済の活性化に貢献しています。

3. シェアオフィスやコワーキングスペース
岡山県西粟倉村では、空き家をサテライトオフィスとして改修し、都市部の企業を誘致しています。この取り組みは地元の雇用創出とともに、移住者の増加も促進しています。

4. アートギャラリーや文化施設
新潟県十日町市では、古い空き家や廃校をアートギャラリーに変えた「大地の芸術祭」を開催。これにより世界中から観光客やアーティストが集まり、地域の魅力を再発見しています。

5. コミュニティスペース
空き家を地域住民が集まれる場所として再利用するケースもあります。例えば、京都市では空き家を改装し、子育て支援や地域イベントの開催場所として利用されています。

これらの事例は、地域の特性やニーズに合わせて空き家を活用した成功例です。
こうした取り組みを参考にすれば、空き家が単なる「負の資産」から「地域の誇り」として再生するヒントになるのではないでしょうか?

「空き家どうする?サポーター」のご紹介
株式会社ティー・エム・エス(空き家どうする?事務局)
谷口 昌良
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