空き家の売却や活用が進まない理由のひとつに、「耐震性の不安」があります。
築年数が古い住宅ほど、現行の耐震基準を満たしていない可能性が高く、買い手や借り手が敬遠する原因に。
この記事では、一級建築士の視点から「空き家の耐震性をどう調べ、どう改善すれば流通性が高まるのか」をわかりやすく解説します。
1. 空き家の耐震性が注目される理由
空き家の多くは築30年以上の木造住宅で、昭和56年以前の「旧耐震基準」で建てられています。これは震度5程度の地震に耐える設計であり、現在の「新耐震基準」(震度6強〜7)には対応していません。
2. 耐震性が資産価値と流通性に与える影響
耐震性が不明な空き家は、買い手にとって「リスク物件」と見なされがちです。逆に、耐震診断済みの住宅は安心材料となり、売却や賃貸の成約率が高まります。

3. 一級建築士が見る「耐震診断」のポイント
耐震診断は、専門家が建物の構造や劣化状況を調査し、地震に対する強度を数値化するものです。診断の流れは以下の通りです。
■予備調査:建築年、図面の有無、増改築履歴などを確認
■現地調査:柱や壁の状態、基礎の劣化などを目視・計測
■構造評価:耐震壁や筋交いの配置を数値化(評点1.0以上が目安)
■補強提案:必要に応じて耐震壁の追加や金物補強などを提案
4. 実際の事例:耐震診断で売却が決まった空き家
兵庫県内のある空き家(築45年・木造2階建て)は、長年売却が進まず放置されていました。所有者が耐震診断を受けたところ、評点は0.7。補強工事(約80万円)で評点1.2まで改善し、診断書と改修履歴を添えて再度売り出したところ、3ヶ月以内に成約。
5. 空き家所有者が今すぐできること
■建築年の確認:1981年以前なら診断を検討
■図面の整理:設計図や改修履歴があると診断がスムーズ
■専門家への相談:一級建築士事務所か『空き家どうする?』へ!
■補助金の確認:耐震診断・改修に使える制度があるか調べる
6. まとめ:耐震性の見直しが空き家の未来を変える
空き家は「放置するほど価値が下がる」資産です。耐震性を見直すことは、未来の安全と資産価値を守る第一歩。一級建築士の視点から見ても、耐震診断は空き家の流通性を高める最も効果的な手段のひとつです。
とはいえ、「誰に相談すればいいのか分からない」「診断や補強にどれくらい費用がかかるのか不安」と感じる方も多いのではないかと思います。
そんなときは、ぜひ『空き家どうする?』をご活用ください。
空き家を「使える資産」に変えるために、まずは耐震性の確認から。そして、信頼できる窓口で相談することが、安心への第一歩です。
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