サポーターコラム
Supporter column
中には、空き家の敷地の上空を高圧線が通過しているようなケースもあるのではないかと思います。ここで、高圧線とは、どの家庭にも見られるような電線(配電線)ではなく、電柱の最上段にある太い電線や変電所付近の送電線などを指します。
もし、敷地の上空をこのような高圧線が通過している場合、高圧線下地である敷地にとっては減価要因となります。以下に、この減価要因となる理由を簡単にご説明したいと思います。
まず、物理的要因としまして、電気設備の基準に基づきまして、高圧線からの一定の隔離距離が定められることによって、建築できる建物の階数や構造、配置等に制約が生じ、その結果、対象地の最有効使用が阻害されることによる減価要因があります。
次に、心理的要因としましては、次のような減価要因が考えられます。
以上のような、物理的、心理的なマイナス要因が働く可能性があるため、高圧線下地の価格は、高圧線が通っていない標準的な土地に比べて価格が安くなる傾向にあります。
しかしながら、高圧線下地であることによる減価額は、画地の規模や形状、送電線の通過位置、通過割合等に応じて非常に個別性が強いものとなります。
従いまして、国税局等が公表している路線価や周辺の公示地価等には、高圧線下地であることによる減価の影響が反映されていない可能性が高く、これらの指標のみでは、敷地の市場価値を正確に判定することは困難である場合が多いでしょう。
但し、先述の通り、高圧線の影響に伴う減価額は、個別性が強いものであるため、「敷地の上空、ないしは、その周辺に高圧線が見られる」場合には、あらかじめ評価の専門家に相談することや、不動産業者や電力会社を訪れて、事前に詳細を確認しておくことをお勧めします。
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